無粋に書くアイドルの結婚①
どうしよう。何書こう。いま、たくさんの人にこのブログを見てもらえている。私が秘かに届いて欲しいと思っていた人に届いて欲しいと思っていた言葉が届いている。怖いことだ。本来ならあり得ないことだ。
どうしよう。普通なら届かないところまで届けられる状態を得てしまった。どうしよう。何書いたらいいの。たらこパスタたらこパスタたらこパスタたらこパスタ…で6000字埋めたい。(ゲシュタルト崩壊確実)
まあそんな感じでプレッシャーに震えながら書きます。
しかしこういうとき何書いたらいいかわかんないので前から書こうと思ってたことを書きます。
というわけでアイドルの結婚についてです。(攻めるねー!って自分でも思った)
デリケートな話なので合わないなと思ったら遠慮なく読者をやめてください。
皆さんはアイドルの結婚は賛成派ですか?反対派ですか?「相手による」タイプですか?
私はこの前の記事でもちょっと触れたけど、結婚賛成派です。
もっと厳密に言うなら、「そもそもどうこういうべきではないし、私個人の気持ちとしては結婚しようがしまいがどっちでも構わないが、結婚した方がアイドルにメリットがありそうならしたら?」という感じです。
その理由をざっと下書きしてみたんですけど、
「どうこういうべきではない理由」
「結婚してもしなくてもどちらでもいいと思う理由」
「アイドル結婚のメリット」
「『相手次第だ』という人に言いたいこと」
のそれぞれにかなりの文字数が必要なことがわかりまして。分けます。
長くなります。すみません。
さて。
今回は「どうこういうべきではない理由」です。
先に言っておきますが今回の議論はかなり無粋です。そのうち粋な話も書くから許して。
・アイドルの結婚にどうこういうべきではない理由
あのですね、そもそも良い悪いは抜きにして、私たちファンが「結婚してほしい」「結婚しないでほしい」と言うのはすごく失礼な行為なんですよ。
だって考えてみて。あなたが会ったことない人に「そんな人とは結婚しないでよ」とか「そろそろいい人と結婚してよ。あ、私のお眼鏡にかなう人でお願い」と言われたらブチギレませんか?
だから「そんなことを言うのは失礼だから」というのがひとつめの理由。
でも、そんなファンの「結婚しないでよ」っていう傲慢極まりないワガママ(極論「私がファンでい続けたいから私の描く理想像に従ってよ」ってことだと思う)を、「アイドルってそういうもんだから」「そういう仕事だから」という理屈でなんとなく認められているのがアイドルとファンの関係です。
厳密に言うと、別に認められていません。ワガママが認められているかのような夢を見ることができるだけです。
ここを理解しないでアイドルのファンになってしまったり、ここを正しく把握しないでアイドルになって苦しんでいる人を見ると本当に心が痛む。
実は、アイドルが結婚しようがしまいがファンができるのはアイドルを「応援するかしないか」の選択だけです。
もちろん、アイドル側にも結婚のマナーがあると思います。
(ああ、このマナーについても書きたい…。長くなるぞ…。)
でも、応援するかどうかを決めるのがファンであって、結婚するかどうかを決めるのは私たちの仕事じゃない。そんな権利はない。
(この前書いた文章が有能すぎた)
だから、「ファンはどうこういう権利がないから」というのが2つめの理由です。
文字にしてみれば当たり前のことですが、忘れられやすい。
しょうがない。そこを忘れさせるのがアイドルの仕事だもん。
どういうことか。
ってか、そもそもファンの権利って何さ。
それを書こうとしたんですけど、そうしたらどうしても「アイドル」の定義が必要で。「アイドルとはなんぞや」という議論抜きにこの先の話はできないんです。
なので「アイドルとは何か」から書きたいと思います。
先に言っておきますが、ちょっとここから無粋な議論します。(今までも割と無粋に書き連ねたけど)
「そこを言わないからいいのに」みたいなことをバンバン書きます。「マジシャンのタネの仕込み方」みたいな話をします。「タネって言っちゃってるよ!」みたいな。すみません。無理かもと思う人は読まないでください。
あと、アイドルとの疑似恋愛に限った話をします。恋愛から離れた話は当てはまらないです。そこを念頭に置いてお読みください。
さて、アイドルとは何か。
アイドル戦国時代と言われるこの時代において定義はすごく難しくなってます。「歌って踊れて見た目も素敵な人」などと言われることもある。でも、私は「アイドル」の定義は歌や踊りではなく、「お客さん(或いはファン)が体験できる夢があること」だと思います。
私が思うに、アイドルの仕事は、「夢を売る」ことです。もっと丁寧に言うなら、「自分を使って夢を見せて、お金を頂く」ことです。
私たちはアイドルに夢を見ます。「こんな人だったらいいのに」「私にこんなこと言ってくれたらいいのに」という夢を見ます。そしてアイドルがプロであればあるほど、その夢のクオリティは高くなります。
アイドルが「夢を見せる」とはどういうことか。この議論には「アイドル」の性質の指摘が必要です。
ここからさらに身も蓋もない話を書いていきます。「アイドルを見るときくらい現実を忘れたい」という人はお帰りください。お願いだから。
不要な戦争はしたくないの。
もういない?大丈夫?
では遠慮なく。
「アイドル」とは何か。それは、「他人が見ている自分像の否定を禁止された存在」なのではないかと思います。
「あなたってこんな人でしょ?」「こんな人であってほしい」と言う願望にこたえていく存在。「あなたの見ている姿が僕だよ」と言わなければならない存在。
こう書くとひどい存在みたいですが、彼らにしか見れない景色があるのもまた事実です。
「idol」の本来の意味は「偶像」。つまり、「神仏をかたどった像、尊敬や盲信の対象」です。
偶像崇拝においては、その像自体を崇拝しているわけではありません。素材の木とか石とかがすごいわけじゃない。その像に「神」の姿を見て畏れるわけです。
アイドルに見るのは神や仏ではなく「理想像」「理想の夢」です。
彼らアイドルは偶像の素材が人間ゆえに、動いたり意思を持っていたりして、
像を通して見ている「理想像」の姿
と
像自体である「人間」
の境界を限りなく曖昧にした存在だと思います。
「理想像」と「生身の人間」の境界を溶かすところがアイドルの腕の見せ所だと思うし、そこが上手いアイドルは見ていて惚れ惚れします。
ファンとしても「ここまでが理想像、これは本来の姿」などと切り分けるのは無粋です。手品のタネを言って回るくらい品がない。
境界を探す必要は全くもってありません。
ただし、
ファンは「アイドルは理想像である」ことを念頭に置いて、アイドルで夢を見る必要があります。
例えば手品で言うなら、「手品にタネがある」ことは把握して見る必要があります。マジシャンが本当に鳩が出せたり人を切ったりつないだりできると思って見ている人の方が少ないでしょう。「そんなことできるなんてすごい」ではなく「そんなことができるように見せられるなんてすごい」が正しい見方だと思います。多分。
「どんなタネか」を言う必要はありませんが「タネがある」ことの把握は必要です。
そして、これは100%観客側の仕事です。マジシャンは「タネも仕掛けもありません」と言うに決まってます。「今回もタネはありますよ~」とか言われたら興ざめです。あくまで、向こうはタネなんてないと言います。当たり前です。
だから、こちらが「これは手品だ」と思って見ることが、誰もそれが必要だと言わないけれど、必要なことなのです。
まあ、手品であればそのまま信じて「わあすごい」でもいいかもしれません。
でもアイドルに関しては「タネも仕掛けもある」と思った方がいい。アイドルはプライドを持って理想像を作り上げてくれますが、あくまで「作り上げて」います。それを言葉通り受け取って辛くなるのはファンです。アイドルはファンに「君が恋人だよ」と言ってくれるかもしれませんが、「それが言葉通りの意味で発せられているわけではない可能性もある」ことを頭の片隅に置きつつ、アイドルの見せてくれる夢にどっぷり浸かるべきです。
「自担の本人名義の世界は知らないけど、自担のアイドル名義の世界では私が恋人になれる」という姿勢です。
それがファンってもんじゃないのか。(あくまで私の主観です)
アイドルは絶対に「これは理想像だよ」「これは仕事だよ」なんて言ってくれません。むしろ自分の素だと信じさせるのが彼らの仕事です。
だから「私たちが見ている姿」を信じるのも悪くない。全てを疑ってたらファンやってても楽しくありません。
でも、でもでもでも、
「ファンのために作ってくれてる部分もある」と思いながら「この人ってこんな人なんだ」と思うのと、
アイドルの言葉を額面通り受け取って「この人ってこんな人なんだ」と思うのでは確実に違う。
恋愛に限れば、
アイドルにはファンのための理想像を貫く義務があります。「理想像になること」「夢を見せること」が彼らの仕事だからです。
ファンはアイドルが理想像に「なって」くれていることを理解する義務があります。アイドルをやってくれている人自体の生活を犯さないためです。
そして両者にはこれらの義務を「言わない」必要があります。これは義務というよりは美学です。
これが「アイドル」と「ファン」の構造です。
超難しいじゃん。なにこれ。アイドルファン履修講座とか要るんじゃないの。
でも日本人はこれができちゃったから、ここまでアイドル文化が栄えたのだと思います。さすが「察する力」の国。
わたしなりに考える「アイドル」とは、「アイドルファン」とはこういうことです。
アイドルは「夢を見せてくれている」ことを前提として、夢のクオリティを上げようとしてくれますが、夢を現実化しようとしているわけではありません。
だから、
ファンにはアイドルに「あなたの恋人にしてくれ」と頼む権利はありません。しかし、「あなたの恋人という夢を見せてくれ」と頼む権利はあります。
この違いを見失った人にファンを名乗る資格はないと思います。
以上が私の“疑似恋愛における”アイドルとファンのスタンスです。
なので、アイドルが結婚しても、変わらずにファンに夢を見せる義務があると思います。本当は恋人がいても、夫や妻がいても、「アイドルとしての自分」は独身でいてほしい。「君を幸せにするよ」というスタンスでファンに向き合ってほしい。(これは「アイドル」であるために必要だと思う。)
あと、恋人に「アイドル」しないでほしい。アイドルとしての姿はファンだけが知っていたい。全部あげちゃうと寂しいから、アイドルとしての自分の恋人の位置くらい私にとっておいて。(これはファン心理として求めていいギリギリのラインだと思う。)
これが私の考えるアイドルが結婚するときに求めたいところです。
(嵐で言えば、ここは完璧にやり遂げてくれるだろうと信頼しています)
これらが無理そうなら「アイドル」は辞めていいと思います。「芸能人」「歌手」「俳優」、それでいいと思います。
「アイドル」じゃない形でファンを大切にしていらっしゃる方もたくさんいます。
私たちはアイドルで夢を見ている。これは大前提です。
私たちは夢の質の向上を願うことはできますが、アイドルをやってくれている人そのものの生活についてとやかく言う権利はないのです。
だから確かに、結婚したことでアイドルの見せる夢の質が落ちたら文句言っていいと思います。例えば「奥さんがいるからファンとかどうでもいいや」とか言いだしたら怒っていいと思います。
でもそれって「結婚による悪影響が出たら」の話。
「結婚」という行為自体に問題は何もないのです。「結婚する」というだけで反対する理由はどこにもありません。
むしろ結婚した後の方がアイドルのビジュアルが良くなったり素敵な夢を見せてくれるようになったなら、結婚バンザイです。
アイドルとの恋愛は、アイドルがそれぞれのやり方で趣向を凝らして作り上げてくれた夢なのだから、夢と知った上で存分に浸り、“「アイドル」をやってくれてる人”の恋愛には触れない。
それがファンのマナーなんじゃないかなと思います。
はあ、無粋無粋。そして長い。こんなことTwitterで書いたら袋叩きにされる。
こんなこと普段から思わなくていいですよ。「わーかっこいいー素敵ー!」でいいんです。
普段から「これは夢これは夢」と言いながら現場に来るファンなんて無粋すぎていやだ。(私が)
この類のことって一回自覚したら抜けないと思うので、頭の片隅に留めておきながら、夢だということを忘れさせてくれるアイドルに感謝しつつ浸らせていただく。それでいいんじゃないかと思います。
もちろん疑似恋愛だけがアイドルの全てじゃないしね!歌とか踊りとかドラマとか映画とか彼らのアイデンティティの形成の様子とか(最後だけ様子がおかしい)楽しめるところはいっぱいあるのでね!
わかんない!と思ったら考えない時間を過ごすのも大事だしね!
なんてこった。議題1つしか終わってない。
この話、今月中に全部終わるんだろうか…?
なので、私のアイドルの結婚について思ってあることはこれで全てではありません。一部です。お忘れなきよう。
これの続きほっぽらかして違うやつ書き始めたらごめんなさい。忘れてそうだったらコメントで教えてください。(他人行儀の極み)
あくまで私の独断と偏見です。気分を害されていたらすみません。
私は書いてて楽しかったです。
では。